
Cookie同意バナーの表示やプライバシーポリシーの作成を行うプラグイン「Complianz – GDPR/CCPA Cookie Consent」において、セキュリティ上の問題が確認されました。影響を受けるのは、バージョン 7.5.5 までのすべてのバージョンです。
本脆弱性を悪用された場合、ログインしていない第三者が投稿したコメントを通じて、ページを閲覧した人のブラウザ上で不正なスクリプトが実行される可能性があります。
対策として、バージョン 7.5.6 以降への更新を推奨します。
脆弱性詳細
本脆弱性は、YouTube動画ギャラリー用プラグイン「YotuWP」を併用しているサイトで、YouTubeのプレイリストを同意が得られるまで止める機能に存在します。
影響を受けるのは、YotuWPのプレイリストを表示しているページです。
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。
- 閲覧者への影響(蓄積型XSS:サイト内に保存された不正なコードが、閲覧時に実行される攻撃)
該当ページを開いた閲覧者のブラウザ上で、攻撃者が用意したスクリプトが実行されます。 - 管理者への影響
管理者がログインした状態で該当ページを閲覧した場合、管理者の権限で設定変更やユーザー追加などの操作が行われる可能性があります。
被害発生の条件
以下の条件がすべてそろった場合に、被害が発生する可能性があります。
- YotuWP プラグインが有効
- Complianz のCookieブロック機能(同意前に外部サービスの読み込みを止める機能)が有効で、YouTube を利用サービスとして設定
- YotuWP のプレイリストを表示しているページで、コメントを受け付ける
- 細工されたコメントが承認されて公開ページに表示(または、投稿作成権限を持つユーザーが本文に書き込んでいる)
なお、WordPressの初期設定では、一度承認されたことのある投稿者(名前とメールアドレスが同じ場合)のコメントは自動で承認されます。そのため、2回目以降のコメントは審査を経ずに表示される点にご注意ください。
技術的な詳細
ブロック処理のしくみ
本プラグインは、ページを表示する直前にHTML全体を確認し、YotuWP のプレイリストを見つけると、同意が得られるまで再生が始まらないよう、その部分を書き換えています。
問題点
- プレイリストを探す条件(正規表現:文字列のパターン照合)が緩く、プレイリストの開始位置から、ページ内で最後に現れる「動画を示す文字列」までを、ひと続きのプレイリストとして扱っていました。
- そのため、プレイリストより後ろに表示されるコメント欄まで、書き換えの対象範囲に含まれていました。
- 書き換えの際に挿入される文字列には、引用符(”)が含まれます。
- コメント内のリンクに付ける説明文などの属性値(HTMLタグに付く設定値)の途中で書き換えが起きると、この引用符によって、属性値の「内側」と「外側」の区切りがずれてしまいます。
- その結果、投稿時の安全確認(無害化処理)では単なる文字として通過した部分が、表示時にはスクリプトを実行する指定として解釈される状態となっていました。
攻撃の大まかな流れ
- 攻撃者が、特定の文字列を属性値に含めたコメントを、プレイリストのあるページへ投稿する
- コメントが承認され、公開ページに表示される
- 閲覧者がページを開くと、書き換え処理によって崩れたHTMLからスクリプトが実行される
対策版での修正
- 書き換えの対象が、プレイリストを囲むHTMLタグ1つだけに限定され、コメントなど他の部分は書き換えられないよう改められました。
- 動画IDの形式チェックと、出力するURLの無害化も追加されました。
あわせて修正された問題
同じバージョンでは、データリクエスト(個人情報の開示・削除などの申請)フォームに関する以下の問題もあわせて修正されています。このフォームはログインなしで送信できます。
- 同じメールアドレスで既に申請があるかどうかで応答内容が異なっていたため、第三者が特定のメールアドレスの申請状況を確認できた。
- 送信回数に制限がなかったため、任意のメールアドレス宛ての確認メールや、管理者宛ての通知メールを繰り返し送信させることが可能。
- 対策版では、応答内容の統一と、送信回数・メール送信回数の制限が追加されています。
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(7.5.6 以降)へ更新してください。
- すぐに更新できない場合は、「設定」→「ディスカッション」で「コメントの手動承認を必須にする」を有効にし、承認前にコメント内容を確認してください。
- 被害確認
- 管理画面の「コメント」画面の検索欄で、
data-page、data-videoidを検索し、該当する承認済みコメントがないか確認してください。該当するものは、ゴミ箱へ移動してください。なお、管理画面のコメント一覧で確認すること自体は、本脆弱性の影響を受けません。 - 投稿者・寄稿者などの権限を持つユーザーがいるサイトでは、「投稿」「固定ページ」画面でも同じ文字列で検索してください。
- 管理画面の「ユーザー」で、身に覚えのない管理者アカウントが追加されていないか確認してください。
- 管理画面の「コメント」画面の検索欄で、
- セキュリティ対策の強化
- WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入していれば、XSSを狙うコメント投稿の遮断に有効です。ただし、WAFですべての攻撃を確実に防げるわけではないため、根本的な対策となるプラグインの更新を優先してください。
⇒ 不審なコメントや、意図しない管理者アカウントが確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談を推奨します。
影響を受けるバージョン
Complianz – GDPR/CCPA Cookie Consent 7.5.5 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2026-97339
(公開日 2026年10月16日 更新日 2026年10月16日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 7.2 (重要) [Wordfence]
※ 「被害発生の条件」に挙げた、YotuWP 併用時が対象です。
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2026-97339 悪用確率 0.25% (上位84%) 2026年10月16日時点
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本記事の作成について
本記事は、対象プラグインの公開ソースコードおよびバージョン間の差分を解析し、その結果に基づいて作成しています。
解析および文章作成の過程では生成AIを利用し、内容は当社の担当者が確認したうえで公開しています。



