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WordPressでページの表示を高速化するキャッシュ機能を提供するプラグイン「W3 Total Cache」において、セキュリティ上の問題が確認されました。影響を受けるのは、バージョン 2.10.4 までのすべてのバージョンです。

本脆弱性を悪用された場合、ログインしていない第三者が、キャッシュの保存先として想定されているフォルダの外側にファイルを書き込める可能性があります。また、Apacheをお使いの環境では、サーバーの設定ファイル(.htaccess)が上書きまたは削除されるおそれがあります。

対策として、バージョン 2.10.5 以降への更新を推奨します。

本脆弱性は、ページキャッシュの保存先ファイル名を組み立てる処理に存在します。影響を受けるのは、ページキャッシュの保存方式に「Disk: Enhanced(ディスク:拡張)」を選択しているサイトです。それ以外の方式(Disk: Basic、Memcached、Redis など)を選択している場合は該当しません。
攻撃者はサイトにアクセスできる状態であれば十分で、ログインや、サイト運営者・閲覧者側の操作は必要ありません。通常のページ閲覧と同じ形のリクエストを送ることで悪用が行われます。

この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。

サーバー設定ファイル(.htaccess)への影響

Apacheをお使いの環境では、キャッシュ保存先以外のフォルダにある .htaccess が、プラグインが作る内容に置き換えられたり、削除されたりするおそれがあります。

.htaccess にはアクセス制限やプログラム実行の抑止といった保護設定が書かれていることが多く、これが失われると、その設定に頼っていた保護が働かなくなります。また、サイトの表示が正常に行われなくなる可能性もあります。

キャッシュ保存先以外へのファイル書き込み

サーバー上に既に存在するフォルダに対して、ページの内容を書き込んだファイルが作られるおそれがあります。同じ名前のファイルが既にあった場合は、その内容が置き換わります。

なお、作られるファイルの名前は決まった形式(末尾が .html または .xml になるもの)に限られており、プログラムファイルが直接設置されるわけではありません。

前提:URLがそのまま保存先になる仕組み

「Disk: Enhanced」方式は、アクセスされたURLの並びをそのままフォルダの階層として使い、キャッシュファイルを保存する設計です。そのため、URLの文字列が、保存先の場所を決めることになります。

原因1:区切り文字が後から作り出されていた

対策前のバージョンでは、保存先を組み立てる前に次の2つの処理が行われていました。

  • URLのエンコード(記号などを %XX の形に置き換えた表記)を元の文字に戻す
  • バックスラッシュ(\)をフォルダの区切り文字として扱う

Webサーバー側では単なる文字として扱われ、検査を通過していた部分が、これらの処理によってフォルダの区切りや「1つ上の階層へ移動する」という意味を持つ記号に変わってしまいます。その結果、本来想定していない場所を指す保存先が組み立てられる状態となっていました。

原因2:書き込み・削除の際に保存先が確認されていなかった

組み立てられた保存先がキャッシュ用フォルダの内側にあるかどうかを確認する処理は、キャッシュを読み出す際には行われていました。一方で、書き込み・削除を行う際には行われておらず、想定外の場所を指す保存先がそのまま使われていました。

対策版での修正

  • 保存先の名前を作る段階で、エンコードを元に戻す処理とバックスラッシュの置き換えを取りやめ、上位階層への移動を意味する記号などが含まれる要求は受け付けないよう変更
  • 書き込み・削除を行う各処理でも、保存先がキャッシュ用フォルダの内側にあることを確認するよう追加

該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。

  1. プラグインの更新
    • 速やかに、プラグインを対策バージョン(2.10.5 以降)へ更新してください。
  2. 該当設定の確認
    • WordPress管理画面の「Performance」→「Page Cache」を開き、「Page Cache Method」の設定をご確認ください。「Disk: Enhanced」以外であれば、本脆弱性の対象外です。
  3. 被害確認
    • サーバー上の .htaccess をご確認ください。サイトの最上位フォルダや wp-contentwp-content/uploads などにある .htaccess の更新日時が身に覚えのない日時になっていないか、また元の設定内容が失われていないかが確認の目安になります。
    • 本脆弱性を悪用して書き込まれた .htaccess には、IfModule mod_mime.c または Header add という文字列が含まれます。キャッシュ保存先(wp-content/cache/page_enhanced 配下)以外の場所にこれらを含む .htaccess がある場合は、内容をご確認ください。
    • 同様に、wp-content/cache/page_enhanced 配下以外の場所に _index.html_index_slash.html といった名前のファイルが無いかをご確認ください。
    • Webサーバーのアクセスログを保存している場合は、リクエストされたURLに ..%2e%2e%5c といった文字列を含むアクセスが無いかを確認すると、悪用の試行を把握しやすくなります。
  4. セキュリティ対策の強化(任意)
    • WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入していれば、上位階層への移動を狙うURLを含むリクエストの遮断に有効です。ただし、WAFですべての攻撃を確実に防げるわけではないため、根本的な対策となるプラグインの更新を優先してください。

⇒ .htaccess の内容が意図せず変わっている、身に覚えのないファイルがある、サイトの表示や動作に不審な点があるといった場合は、WordPressの専門家への相談を推奨します。

W3 Total Cache 2.10.4 までのバージョン

CVE-2026-18051
(公開日 2026年8月19日 更新日 2026年8月19日)

基本値: 7.5 (重要)   [Wordfence]

CVE-2026-18051 悪用確率 0.44% (上位63%) 2026年8月30日時点 

今後30日以内に悪用される確率 )

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WordPress プラグイン W3 Total Cache 情報 (2026年9月1日 取得)

最新版 バージョン 2.10.5
対象 WordPress バージョン 6.0 またはそれ以降
検証済み最新バージョン : 7.1
有効インストール数 900,000+
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