
WordPressでデモサイトをインポートできるプラグイン「Demo Importer Plus」のバージョン 2.0.8 までの全てのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、サイトに登録済みの低権限ユーザー(購読者レベル)が、本来管理者のみが実行できる操作を不正に実行できる状態となっていました。特に深刻なのは、サイト全体をリセットする機能を悪用することで、攻撃者のアカウントが管理者権限に昇格し、サイトのほぼ全てのデータが削除される可能性がある点です。対策バージョン 2.0.9 以降への更新を強く推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます。
- サイト全体のリセットと権限昇格(最も深刻)
- サイトに登録されている低権限ユーザー(購読者レベル)のアカウントが管理者権限に昇格する
- ユーザー情報以外のほぼ全てのデータベース内容が削除される
- 投稿、固定ページ、コメント、カテゴリ、サイト設定などが全て失われる
- サイト運営が完全に停止し、バックアップがない場合は復旧が不可能になる
- 管理者権限を取得した攻撃者は、その後サイトを自由に操作できる
- デモサイトの不正インポート
- 既存のサイトコンテンツがデモサイトの内容で上書きされる
- サイトの外観や設定が意図せず変更される
- ページや添付ファイルの不正操作
- 任意のページが追加される
- 画像や文書ファイルの情報が改ざんされる
- 被害発生の条件
- 攻撃者がWordPressに低権限ユーザー(購読者レベル以上)としてログインしている
- プラグインの脆弱な機能に対して不正なリクエストが送信される
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します。
- 権限チェックの欠如
- プラグインが提供する重要な機能(サイトリセット、デモインポート等)を実行する際に、ユーザーの権限を確認していなかった
- 本来は管理者権限を持つユーザーのみが実行できる操作だったが、この確認が実装されていなかった
- そのため、WordPressにログインしてさえいれば、購読者レベルの低権限ユーザーでも実行できる状態だった
- サイトリセット機能の仕様による権限昇格
- サイトリセット機能は、ユーザー情報以外のデータベーステーブルを削除し、WordPressを再インストールする処理を行う
- WordPressの再インストール処理では、既存のユーザーアカウントが残っている場合、そのユーザーに管理者権限が付与される仕様となっている
- この仕様により、攻撃者の低権限アカウントが自動的に管理者権限に昇格してしまう
- 影響を受ける機能
- サイト再インストール機能(do-reinstall)
- デモサイトインポート機能(import-demo)
- ページインポート機能(import-page)
- 添付ファイル更新機能(update_attachment)
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新(最優先)
- 緊急で、プラグインを対策バージョン(2.0.9以降)に更新してください
- 被害確認
- サイトが正常に動作しているか確認
- WordPress管理画面の「ユーザー」メニューから、意図しない管理者権限を持つユーザーがいないかチェック
- 投稿や固定ページが予期せず削除されていないか確認
- 不審な投稿やページが追加されていないか確認
- 被害が確認された場合の対応
- 予期しない管理者ユーザーが見つかった場合は、そのアカウントを直ちに削除
- データが失われている場合は、バックアップからの復元を検討
- 被害の詳細が不明な場合は、WordPressの専門家への相談を推奨
- 今後の対策
- 定期的なバックアップの実施
- 不要なユーザーアカウントの削除
- ユーザー登録を制限し、信頼できるユーザーのみにアカウントを付与
⇒サイトに異常が見られる場合や、データの欠損が確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
Demo Importer Plus 2.0.8 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-14364
(公開日 2025年12月18日 更新日 2025年12月18日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 8.8 (重要) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-14364 悪用確率 0.04% (上位88%) 2025年12月20日時点
(今後30日以内に悪用される確率 )
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