
WordPressで寄付・募金機能を提供するプラグイン「Charitable – Donation Plugin for WordPress – Fundraising with Recurring Donations & More」のバージョン 1.8.8.4 以下のすべてのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、サイトに登録済みの低権限ユーザー(購読者レベル以上)が、データベースに保存されている情報を不正に取得できる可能性があります。対策バージョン 1.8.8.5 以降への更新を推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます。
- データベース情報の不正取得
- 管理者アカウント情報(ユーザー名、メールアドレス、パスワードの暗号化データ)
- 寄付者情報(個人情報、寄付履歴、決済情報など)
- その他データベースに保存されている情報
- 被害発生の条件
- 攻撃者がサイトに登録済みのユーザーアカウント(購読者レベル以上)を持っている
- 攻撃者が寄付を実施している
- 攻撃者がインターネット経由でサイトにアクセスできる
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します。
- 寄付ID指定処理での入力値検証の不備
- 寄付情報を検索する処理において、寄付IDを指定するパラメータ(donation_ids)の安全性確認が不十分だった
- このパラメータはカンマ区切りで複数の寄付IDを指定できる仕様だが、各IDが正しい整数値かどうかの検証が行われていなかった
- HTMLエスケープ処理(
esc_html())のみが実施されていたが、これはSQL対策としては全く効果がない
- 具体的な問題点
- カンマ区切りで分割した配列は作成されるが、実際には使用されていなかった
- 元の文字列がそのままデータベース検索文に組み込まれていた
- 攻撃者は寄付IDの代わりに不正なSQL文を注入できる状態だった
- 影響を受ける処理
- 寄付情報の検索
- フィルタリング処理 寄付一覧の表示処理
- 修正内容
- 各寄付IDを個別に検証し、正の整数値であることを確認
- 安全なパラメータ化クエリ(プレースホルダー)を使用
- 不正な値は処理から除外
- 攻撃の流れ(概要)
- 攻撃者がサイトにアカウントで登録し、ログイン
- 攻撃者が寄付を実施
- 寄付情報を表示する機能に対して、特別に細工したパラメータを送信
- 不正なパラメータがデータベース検索文に組み込まれる
- データベースから脆弱性を利用して機密情報を抽出
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新(最優先)
- プラグインを対策バージョン(1.8.8.5以降)に速やかに更新してください
- 被害確認
- WordPress管理画面で、見覚えのない管理者権限のユーザーが追加されていないか確認
- サーバーのアクセスログに不審なアクセスがないか確認
- 追加のセキュリティ対策
- 管理者パスワードの変更
不正アクセスが疑われる場合は、管理者アカウントのパスワードを変更してください - アカウントの点検
不審なユーザーアカウントがある場合は、アカウントの削除を検討してください - 定期的なプラグイン更新
セキュリティ更新を見逃さないよう、定期的にプラグインの更新状況を確認してください
- 管理者パスワードの変更
⇒不審なアクセスや被害の形跡が見られる場合は、WordPressの専門家やセキュリティ事業者への相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
Charitable 1.8.8.4 までのすべてのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-11893
(公開日 2025年10月25日 更新日 2025年10月25日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 8.8 (重大) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-11893 悪用確率 0.03% (上位93%) 2025年10月25日時点
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
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