
WordPressのテーマ編集を行うプラグイン「Theme Editor」のバージョン 3.0 以下のすべてのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、攻撃者が管理者を誘導することで、サイトのテーマファイルを改ざんすることが可能となっています。対策バージョン 3.1 以降への更新を推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます
- テーマファイルの改ざん
- 管理者がログイン中に不審なリンクをクリックすると、テーマファイル(PHPファイル)が書き換えられる
- 書き換えられたPHPファイルは、サイト表示時に自動的に実行される
- 攻撃者が埋め込んだコードが実行され、サイトが意図しない動作をする
- 管理者が気づきにくい
- 攻撃は管理者の通常の権限で実行されるため、ログに異常として記録されない
- ファイルの変更日時が更新されるが、改ざんと気づきにくい
- プラグインを更新するまで、改ざんされたファイルは残り続ける
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します
- リクエスト検証の不備
- テーマファイルを更新する処理で、POSTリクエストに対するnonce検証が実装されていない
- 正規の管理画面からの操作か、外部からの偽造リクエストかを区別できない
- 管理者がログイン中であれば、外部からのリクエストでもファイル書き換えが実行される
- CSRF攻撃の成立条件
- 攻撃者は管理者を不審なページに誘導する必要がある(リンクのクリックなど)
- 管理者がWordPressにログインしている状態が必要
- 上記2つの条件が揃うと、テーマファイルが攻撃者の指定した内容で上書きされる
- 影響を受けるファイル
- 書き換え可能なのは、テーマディレクトリ内の書き込み権限があるファイル
- PHPファイルが書き換えられた場合、そのコードがサイト上で実行される
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を推奨します
- プラグインの更新
- プラグインを対策バージョン(3.1以降)に即座に更新
- 被害確認
- テーマファイルの確認
- 使用中のテーマファイルに不審な変更がないか確認
- 特にPHPファイル(functions.phpなど)に見覚えのないコードがないかチェック
- ファイルの更新日時に不自然な変更がないか確認
- テーマファイルの確認
- 追加のセキュリティ対策
- CSRF攻撃への対策
- WordPress管理者は、ログイン中に不審なリンクをクリックしない
- 信頼できないサイトへのアクセスを避ける
- 作業終了後はWordPressからログアウトする習慣をつける
- CSRF攻撃への対策
⇒テーマファイルに不審な変更が見られる場合は、バックアップからの復元、またはWordPressの専門家への相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
Theme Editor 3.0 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-9890
(公開日 2025年10月18日 更新日 2025年10月20日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 8.8 (重大) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-9890 悪用確率 0.06% (上位80%) 2025年10月25日時点
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