WordPressでAI機能を提供するプラグイン「AI Engine」のバージョン 2.8.4 で、深刻なセキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、サイト内の低権限ユーザーや外部の攻撃者が、巧妙な手口で管理者を騙してサイトの完全な管理権限を奪取することが可能となっています。10万以上のサイトで利用されているプラグインのため、被害範囲は非常に大きく、直ちに対策バージョン 2.8.5 以降への更新を強く推奨します。
想定される事象
| 想定される被害 | この脆弱性により、以下のような深刻な被害が想定されます ・サイトの完全乗っ取り -管理者アカウントの不正作成 -既存管理者の権限削除 -サイト設定の改ざん -悪意のあるコンテンツの投稿 ・機密情報の漏洩 -顧客データベースの盗み見 -個人情報の大量流出 -企業の内部情報の漏洩 -パスワードやAPIキーの窃取 ・サイト運営への深刻な影響 -サイトの完全停止 -悪意のあるコンテンツによる信頼失墜 -検索エンジンからのペナルティ -復旧作業による長期間の運営停止 ・法的・経済的リスク -個人情報保護法違反による罰金 -顧客からの損害賠償請求 -企業の信頼失墜による売上減少 -復旧費用と機会損失 |
|---|---|
| 技術的な詳細 | この脆弱性は、以下の問題に起因します (1) OAuth認証の不備 ・認証時のリダイレクト先URLを検証せず受け入れ ・攻撃者が自分のサイトを認証後のリダイレクト先に指定可能 ・正当な認証手続きを悪用した巧妙な攻撃 (2) 管理者を標的とした攻撃手法 ・低権限ユーザーから管理者への権限昇格攻撃 ・「新機能のテスト」等の口実で管理者を騙す ・管理者が認証リンクをクリックするだけで権限奪取 (3) 攻撃の発見が困難 ・正常な認証画面に見えるため管理者が気づきにくい ・内部犯行の場合、発見がより困難 ・権限奪取後の不正操作まで時間差がある |
| 脆弱性の種類 | CWE-601 オープンリダイレクト |
| 推奨対応事項 | 該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します (1) 緊急の対策 ・プラグインを対策バージョン（2.8.5以降）に直ちに更新 ・更新後はOAuth機能が無効化されるため、設定の確認が必要 (2) 被害確認 ・管理者権限の確認 WordPress管理画面 → ユーザー一覧で不審な管理者アカウントの有無 ・既存管理者の権限に変更がないか確認 ・最近のログイン履歴で不審なアクセスの有無 ・サイト内容の確認 投稿・固定ページに不審なコンテンツがないか ・サイト設定（タイトル、説明、テーマ等）に変更がないか ・プラグインの追加・削除履歴の確認 (3) 追加のセキュリティ対策 ・定期的なプラグイン更新：すべてのプラグインを最新版に保つ ・二要素認証の導入：管理者アカウントの強化 ・アクセス制限：管理画面への IP制限 ・監査ログの確認：定期的な管理者操作の確認 ⇒不審な管理者アカウントが発見された場合や、サイトに異常が見つかった場合は、WordPress の専門家やレンタルサーバー会社のサポートへの相談をお勧めします。 |
| 影響を受けるバージョン | AI Engine 2.8.4 以下のすべてのバージョン |
| 脆弱性情報 (CVE-ID / 公開日) | CVE-2025-6238 / 2025/07/04 |
| 脆弱性の深刻度 (CVSS v3) | 基本値: 8.0 (重大) [Wordfence] |
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
This record contains material that is subject to copyright.
Copyright 2012-2024 Defiant Inc.
License: Defiant hereby grants you a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare derivative works of, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute this software vulnerability information. Any copy of the software vulnerability information you make for such purposes is authorized provided that you include a hyperlink to this vulnerability record and reproduce Defiant’s copyright designation and this license in any such copy. Read more.
Copyright 1999-2024 The MITRE Corporation
License: CVE Usage: MITRE hereby grants you a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare derivative works of, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute Common Vulnerabilities and Exposures (CVE®). Any copy you make for such purposes is authorized provided that you reproduce MITRE’s copyright designation and this license in any such copy. Read more.
「WordPressセキュリティ保守」をご利用のお客様へ
WordPress
AI Engine プラグインをご利用のお客様へは、「対策バージョンへの更新状況と推奨対応事項」メールを順次ご案内しております。
WordPress プラグイン AI Engine 情報
| 最新版 バージョン | 2.8.7 |
|---|---|
| 対象 WordPress バージョン | 6.0 またはそれ以降 検証済み最新バージョン :6.8.1 |
| 有効インストール数 | 100,000+ |
| プラグイン ページ | AI Engine – WordPress プラグイン | WordPress.org 日本語 |
