
イベントカレンダーの作成・表示を行うプラグイン「The Events Calendar」において、セキュリティ上の問題が2件確認されました。影響を受けるのは、バージョン 6.17.4 までのすべてのバージョンです。いずれも入口と対策が共通するため、あわせてご案内します。
本脆弱性を悪用された場合、ログインしていない第三者によって、サーバー上で任意のコードを実行される可能性があります。ただし、悪用にはイベントページのコメント機能が有効になっていることが前提となります(この機能は初期状態では無効です)。
対策として、バージョン 6.17.4.1 以降への更新を推奨します。
脆弱性詳細
問題があるのは、イベントの個別ページを表示する処理と、貼り付け(コピー&ペースト)されたウィジェット設定を受け取る処理です。
イベントの個別ページでは、コメント欄に書かれた内容が、記事の作成者が書いたものと同じようにページの部品(ブロック)として処理される状態になっていました。この部品にはウィジェットの設定を含められるため、ログインしていない訪問者がコメントを投稿するだけで、プラグインのウィジェット処理へ任意の設定内容を渡せる状態でした。
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。
- サーバー上で任意のコードが実行される
コードの実行に至るため、ファイルの設置や書き換え、サイト内に保存されている情報の取得といった操作が行われる可能性があります。
被害発生の条件
以下の条件が重なった場合に、被害が発生する可能性があります。
- The Events Calendar の設定で、イベントページのコメント機能が有効になっている(設定の「表示」にある「Show comments(コメントを表示)」。この設定は初期状態では無効です)
- 投稿したコメントがイベントページ上に表示される(承認待ちの状態でも、投稿した本人には表示される場合があります)
攻撃はコメントの投稿とページの閲覧のみで行われ、サイト運営者やログイン利用者の操作は必要ありません。
技術的な詳細
イベントページ全体がブロックとして解析されていた
イベント個別ページを組み立てる処理では、テンプレートの出力をいったんまとめたうえで、ページ全体に対してブロックの解析を実行していました。このまとめた出力にはコメント欄も含まれるため、コメント本文に書かれたブロックの記述も解析の対象になっていました。
改変を検知するための値が付け直されていた
貼り付けられたウィジェットの設定には、内容が改変されていないことを確認するための値が添えられ、一致しないものは受け付けない仕組みになっています。しかしプラグインは、受け取った設定に対してこの値を計算し直して付け替えていたため、改変の検知が働かない状態でした。
検査した内容と、実際に使われる内容が別物だった
プラグインは、受け取った設定を安全な読み込み方で復元し、問題のある要素が含まれていないかを検査していました。ところが、検査を通過したあとに保存・使用されるのは、送られてきたデータそのものでした。検査のときの読み込み方と、実際に使われるときの読み込み方が異なるため、検査だけをすり抜ける内容を用意できる状態でした。
表示用のクラス名(HTMLの見た目を指定する名前)の指定から処理が呼び出されていた
検査では「設定の中に特殊な形式の要素が含まれていないか」を見ていたため、ごく普通の配列はそのまま通過します。一方、表示用のクラス名を組み立てる共通処理には、渡された値が「実行する処理を指し示す形式」になっていた場合、それをそのまま実行する作りが残っていました。この2点が組み合わさることで、設定に含めた値からサイト内の処理が呼び出される状態でした。
攻撃の流れ(概略)
- 攻撃者が、イベントページのコメント欄に細工した内容を投稿する
- その内容には、ウィジェット部品を指し示す記述と、細工した設定が含まれる
- イベントページの表示処理が、コメント欄を含むページ全体を解析する
- プラグインが設定に改変検知用の値を付け直し、検査をすり抜けた設定がウィジェットの処理へ渡る
- 設定に仕込まれた指定に沿って、サーバー上で処理が実行される
対策版での修正
バージョン 6.17.4.1 までに、次の内容が反映されています。
- イベント個別ページ全体に対するブロックの解析を取りやめ、通常の本文処理に委ねるよう変更
- 検査を通過した内容をあらためて組み立て直し、その内容に対して改変検知用の値を付けるよう変更
- 表示用のクラス名を組み立てる処理で、実行する対象を限定
- 設定の入れ子の深さに上限を設定
脆弱性の種類
CWE-502 信頼できないデータのデシリアライゼーション (CVE-2026-78006)
CWE-94 コード生成の不適切な制御(コードインジェクション) (CVE-2026-78159)
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(6.17.4.1 以降)へ更新してください。
- 設定の確認(更新までの間の緩和策)
- The Events Calendar の設定「表示」にある「Show comments(コメントを表示)」をご確認ください。この設定が無効であれば、本脆弱性の前提条件を満たしません。すぐに更新できない場合は、一時的に無効へ切り替えることで悪用を避けられます。
- 被害確認
- WordPress管理画面の「コメント」画面で、キーワード検索欄に「legacy-widget」または「tribe-widget-」と入力して検索してください。これらの記述は、通常の書き込みで使われるものではありません。未承認・ゴミ箱に入っているコメントも対象に含めてください。
- 該当するコメントが見つかった場合は、削除したうえで、サイト内に不審なファイルが設置されていないか確認してください。
- 該当するコメントが見当たらず、かつ「Show comments(コメントを表示)」を有効にしていない場合は、本脆弱性の影響を受けません。
- WAFによる緩和
- WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入している場合、コメント送信に含まれる不審な記述の検知に有効なことがあります。ただし、すべての攻撃を確実に防げるわけではないため、根本的な対策となる更新を優先してください。
⇒ 不審なコメントやファイルが確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談を推奨します。
影響を受けるバージョン
The Events Calendar 6.17.4 までのバージョン
- CVE-2026-78006:6.17.4 まで(対策版 6.17.4.1)
- CVE-2026-78159:6.17.3 まで(対策版 6.17.3.1)
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2026-78006
(公開日 2026年9月12日 更新日 2026年9月12日)
CVE-2026-78159
(公開日 2026年9月12日 更新日 2026年9月12日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 9.8 (緊急) [Wordfence]
(CVE-2026-78006・CVE-2026-78159 とも同一の評価)
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2026-78006 悪用確率 0.78% (上位46%) 2026年9月14日時点
CVE-2026-78159 悪用確率 0.76% (上位47%) 2026年9月14日時点
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The Events Calendar プラグインをご利用中のお客様には、対策バージョンへの更新状況および推奨対応事項について、順次メールにてご案内しております。
WordPress プラグイン The Events Calendar 情報 (2026年9月15日 取得)
| 最新版 バージョン | 6.17.4.1 |
|---|---|
| 対象 WordPress バージョン | 6.7 またはそれ以降 検証済み最新バージョン : 7.1 |
| 有効インストール数 | 600,000+ |
| 関連 ページ |
プラグインページ |
本記事の作成について
本記事は、対象プラグインの公開ソースコードおよびバージョン間の差分を解析し、その結果に基づいて作成しています。
解析および文章作成の過程では生成AIを利用し、内容は当社の担当者が確認したうえで公開しています。



