
WordPressでメール配信サービスMailgunとの連携を行うプラグイン「Mailgun for WordPress」において、セキュリティ上の問題が確認されました。影響を受けるのは、バージョン 2.2.0 までのすべてのバージョンです。
本脆弱性を悪用された場合、ログインしていない第三者が、サイトに保存されたMailgunの認証情報を使い、サイトになりすます形でMailgunのAPIを操作できる可能性があります。
対策として、バージョン 2.2.1 以降への更新を推奨します。
脆弱性詳細
本脆弱性は、購読フォームからのメールアドレス登録を受け付ける、ログイン不要のデータ受付処理に存在します。影響を受けるのは、Mailgunと連携済み(APIキー設定済み)で本プラグインを有効化しているサイトです。
なお、購読フォームをページに設置していないサイトでも、この受付処理自体は動作します。
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。
サイトのMailgunアカウントへの不正操作
- 本来「リストへの登録」に限定されるはずの処理を逸脱した、Mailgun APIへの意図しない操作
- この操作はサイトに保存された認証情報を使って行われるため、攻撃者は認証情報を知らなくても、サイトの権限でMailgunを操作できる
メール転送設定の悪用(アカウント乗っ取りにつながる被害)
- 受信メールを外部へ転送する設定などの不正な作成
- これが行われた場合、パスワード再設定メールなどが第三者に渡り、アカウントの乗っ取りに発展
被害発生の条件
以下の条件を満たすサイトが対象となります。
- Mailgunと連携済み(APIキー設定済み)で、本プラグインを有効化している
- 攻撃者はサイトにアクセスできれば十分で、ログインや利用者側の操作は不要
技術的な詳細
本脆弱性は、購読フォームからの登録を受け付ける処理に、次の不備が重なって発生していました。
問い合わせ先アドレスの組み立て時の検証不足(本脆弱性の主因)
- 送信データのうち「登録先リストの指定」にあたる値を、そのまま信頼して使用していた
- この指定値はMailgun APIへの問い合わせ先アドレス(URL)の一部として組み立てられるが、値に含まれる記号類を無害化していなかった
- そのため指定値を細工することで、本来固定されているはずの問い合わせ先を、Mailgunアカウント上の別の操作へと差し替えることが可能だった
リクエストの正当性・妥当性を確認する仕組みの欠如
- リクエストが正規のフォーム由来かを確認する仕組み(トークンによる確認)がなかった
- 指定されたリストが実在する正規のものかを照合する仕組みもなかった
対策版では、リクエストの正当性を確認するトークンの検証と、指定されたリストがMailgunアカウント上に実在するものかを照合する処理が追加され、想定外の問い合わせ先を指定できないよう修正されています。
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(2.2.1 以降)へ更新してください。
- 被害確認
- Mailgunの管理画面で、受信メールの転送・振り分け設定(Routes)に身に覚えのない転送先が登録されていないか、また購読者リストに不審な登録がないかを確認してください。
- Webサーバーのアクセスログで、データ受付先(
admin-ajax.phpに対するaction=add_listのリクエスト)への不審な送信や、通常の購読とは異なる繰り返し送信が無いか確認すると、悪用の痕跡を把握しやすくなります。
- セキュリティ対策の強化(任意)
- WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入していれば、この受付処理を狙う不正な通信の遮断に有効です。ただし、WAFですべての攻撃を確実に防げるわけではないため、根本的な対策となるプラグインの更新を優先してください。
⇒ 身に覚えのない転送設定や、アカウントの不審な操作が確認された場合は、WordPressの専門家への相談を推奨します。
影響を受けるバージョン
Mailgun for WordPress 2.2.0 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2026-78003
(公開日 2026年8月22日 更新日 2026年8月25日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 9.8 (緊急) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2026-78003 悪用確率 0.57% (上位55%) 2026年8月26日時点
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