
WooCommerceの各種通知メールのデザインや文面を、WordPressのカスタマイザーから編集できるプラグイン「Kadence WooCommerce Email Designer」において、セキュリティ上の問題が確認されました。影響を受けるのは、バージョン 1.5.19 までのすべてのバージョンです。
本脆弱性を悪用された場合、ログインしていない第三者によって、サイトが送信する通知メールの文面や宛先を差し替えられる可能性があります。
対策として、バージョン 1.5.19.1 以降への更新を推奨します。
脆弱性詳細
本脆弱性は、管理者がカスタマイザーでメールの文面やデザインを編集する際に使われる、保存前の内容をプレビュー画面へ反映させる機能に存在します。
この機能はWooCommerceの管理権限を持つ利用者だけが使えるべきものですが、利用者の権限を確認する処理が行われていませんでした。
そのため、ログインしていない第三者であっても、この管理者向けの機能を通じて、通知メールの設定を一時的に変更できる状態になっていました。
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。
通知メールの文面や宛先の差し替え
- 攻撃者のアクセスをきっかけにサイトが送信する通知メールの件名・見出し・本文の追記部分が、攻撃者の指定した文面に差し替えられる
- 管理者向けの注文通知メール(新規注文・注文失敗・注文キャンセル)は、宛先を差し替えられ、注文内容が第三者に届く
- 攻撃者のリクエストで送信されるはずの通知メールが、送信されなくなる
受信者から見ると、これらのメールはサイトから正規に送信されたものであるため、記載された内容を信用してしまうおそれがあります。
影響が及ぶ範囲
差し替えられた設定はデータベースに保存されません。効果は攻撃者自身が送信したリクエストの処理中に限られ、サイトのメール設定が書き換わったまま残ることはありません。
被害発生の条件
以下の条件が重なった場合に、被害が発生する可能性があります。
- 攻撃者がサイトにアクセスできる状態であること(ログインは不要)
- 攻撃者のリクエストによって、WooCommerceの通知メールの送信が発生すること
技術的な詳細
本脆弱性は、プレビュー機能を動作させるかどうかの判定が、URLに付けられた特定の目印の有無だけで行われていた点が原因です。
アクセスした人がログインしているか、必要な権限を持っているか、実際にカスタマイザーのプレビューが開かれているかは、いずれも確認されていませんでした。
この判定を通過すると、プラグインはWooCommerceの各通知メール設定を読み出すたびに、リクエストで送られてきたデータで設定値を差し替える処理を組み込みます。
差し替えに使われるデータは、送られてきた内容をそのまま採用しており、そのリクエストが正当な管理操作によるものかは検証されていませんでした。
加えて、どの項目を差し替えてよいかの絞り込みも緩く、プラグインが編集対象としている項目以外にも書き換えが及ぶ状態でした。
対策版では、(1)ログイン済みであること (2)WooCommerceの管理権限を持つこと (3)実際にカスタマイザーのプレビュー中であること、の3点の確認が追加され、さらに差し替えできる項目が、プラグインが編集対象として登録している項目だけに限定されました。
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(1.5.19.1 以降)へ更新してください。
- 被害確認
- Webサーバーのアクセスログを対象に、「kt-woomail-preview」または「kt-woomail-customize」という文字列を含むリクエストを検索してください。
この目印は、管理者がメールデザインの編集・プレビューを行うときにだけ付くものです。管理作業の心当たりがない時間帯の記録や、フォーム送信などに使われる形式(POST)での記録があれば、悪用の試みであった可能性があります。 - 注文一覧と、実際に受信した管理者向け注文通知メールを突き合わせ、通知が届いていない注文がないか確認してください。
- メール送信ログを記録している場合は、身に覚えのない宛先や、不自然な件名の通知メールが残っていないか確認してください。
- Webサーバーのアクセスログを対象に、「kt-woomail-preview」または「kt-woomail-customize」という文字列を含むリクエストを検索してください。
- 追加のセキュリティ対策
- WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入していれば、上記の目印を含む不審なリクエストの遮断に有効です。
ただし、WAFですべての攻撃を確実に防げるわけではないため、根本的な対策となるプラグインの更新を優先してください。
- WAF(Web Application Firewall:不正な通信を検知・遮断する仕組み)を導入していれば、上記の目印を含む不審なリクエストの遮断に有効です。
⇒不審なアクセス記録や、身に覚えのない通知メールが確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談を推奨します。
影響を受けるバージョン
Kadence WooCommerce Email Designer 1.5.19 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2026-28005
(公開日 2026年8月6日 更新日 2026年8月6日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 9.8 (緊急) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2026-28005 悪用確率 0.48% (上位59%) 2026年10月22日時点
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