WordPressでWooCommerceのウィッシュリスト機能を提供するプラグイン「TI WooCommerce Wishlist」のバージョン 2.10.0 までの全てのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、未認証の第三者が他人のウィッシュリストにアクセスし、不正なHTMLコードを注入できる可能性があります。対策バージョン 2.11.0 以降への更新を推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます。
- 他人のウィッシュリストへの不正アクセス
- ウィッシュリスト共有用のキー（6桁の英数字）を推測または入手した第三者が、登録ユーザーのウィッシュリストを閲覧できる
- ウィッシュリストに含まれる商品情報や購買傾向などのプライバシー情報が漏洩する
- ウィッシュリストへの不正なHTML注入
- 不正アクセスしたウィッシュリストに、任意のHTMLコードを含むアイテムを追加できる
- 注入されたHTMLコードは、ウィッシュリストを閲覧する他のユーザーのブラウザで表示される
- 被害発生の条件
- 攻撃者がウィッシュリストの共有キーを知得または推測する
- 攻撃者が未認証（ログインしていない）状態でも実行可能
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します。
- 所有者確認の欠如
- ウィッシュリストを共有キーで取得する際に、そのウィッシュリストの所有者本人であるかの確認が行われていなかった
- 本来は、ログイン中のユーザーIDとウィッシュリストの所有者IDが一致するかチェックする必要があったが、このチェックが実装されていなかった
- そのため、共有キーさえ知っていれば、未認証ユーザーや他のユーザーが登録ユーザーのウィッシュリストを取得できる状態だった
- 入力値の検証不足
- ウィッシュリストアイテムを追加・編集する際、入力されるデータに対する検証が不十分だった
- その結果、任意のHTMLコードを含むデータがウィッシュリストアイテムとして保存され、後で出力される可能性があった
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を推奨します。
- プラグインの更新(最優先)
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(2.11.0以降)に更新してください
- 被害確認
- WordPress管理画面から、各ウィッシュリストの内容を確認
- ウィッシュリストアイテムに、意図しないHTMLコードや不審な内容が含まれていないかチェック
- 予期しない商品やアイテムが追加されていないか確認
- 必要に応じて、不審なアイテムを削除
- 追加のセキュリティ対策
- ウィッシュリスト共有キーの取り扱いに注意
- 共有キーを不特定多数に公開しない
- 必要に応じて、プラグインの設定でウィッシュリストを再作成し、新しい共有キーを生成することを検討
⇒不審なウィッシュリストアイテムが見られる場合や、異常なアクセスログが確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
TI WooCommerce Wishlist 2.10.0 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-9207 
（公開日 2025年12月13日 更新日 2025年12月15日）
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 5.3 (警告) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-9207 悪用確率 0.08% （上位75%） 2025年12月20日時点
(今後30日以内に悪用される確率 EPSS )
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