WordPressで見積もり計算フォームを作成するプラグイン「Cost Calculator Builder」のバージョン 3.6.3 までの全てのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、攻撃者がフォームから送信するデータに不正な情報を埋め込み、管理者がその送信記録を削除する際に、サーバー上の重要なファイルが削除される可能性があります。対策バージョン 3.6.4 以降への更新を推奨します。
なお、この脆弱性が悪用されるのは、無料版に加えて Pro 版もインストールされている環境です。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます。
- サーバー上のファイル削除
- WordPressの設定ファイル（wp-config.php）などの重要なファイルが削除される
- サイトの動作停止やセキュリティ設定の無効化につながる可能性がある
- 被害発生の条件
- 攻撃者が見積もりフォームから不正な送信を行う
- 管理者がWordPress管理画面でその送信記録を削除する
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します。
- ファイルパスの検証不足
- フォーム送信時に含まれる「アップロードファイルのパス情報」を、サーバー側で検証せずにそのまま保存していた
- 本来は、サーバーが管理するアップロード用フォルダ内のファイルのみを扱うべきだが、この確認が行われていなかった
- 送信記録の削除時に、検証なしで保存されたパス情報に基づいてファイル削除処理が実行される
- クライアント送信データへの過度な信頼
- フォームから送信されるJSON形式のデータを、改ざんされている可能性を考慮せずに処理していた
- 攻撃者がブラウザの開発者ツール等で送信データを改変することで、任意のファイルパスを含めることが可能
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン（3.6.4以降）に更新。
- 被害確認
- wp-config.phpファイルの存在確認
ログインできない、またはサイトが正常に表示されない場合は、重要ファイルが削除されている可能性があります - サーバーのアクセスログ確認（可能な場合）
削除された送信記録に関連するアクションを調査
具体的には、管理画面での削除操作（delete_order、delete_ordersなどのアクション）のログを確認
- wp-config.phpファイルの存在確認
- 追加のセキュリティ対策（優先度順）
- フォーム機能の見直し
- ファイルアップロード機能が本当に必要か再検討
- 不要な場合はフォームからファイルアップロード項目を削除
- フォーム機能の見直し
⇒サイトが正常に動作しない、重要ファイルの削除が疑われる場合は、WordPressの専門家やホスティング事業者への相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
Cost Calculator Builder 3.6.3 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-12529 
（公開日 2025年12月2日 更新日 2025年12月2日）
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 8.8 (重大) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-12529 悪用確率 0.14% （上位65%） 2025年12月4日時点
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
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