
WordPressでユーザー情報のCSVインポート・エクスポートを行うプラグイン「Import and export users and customers」において、セキュリティ上の問題が確認されました。影響を受けるのは、バージョン 2.0.8 までのすべてのバージョンです。
本脆弱性を悪用された場合、マルチサイト環境において、サイトに登録済みの低権限ユーザーがサブサイトの管理者権限を不正に取得する可能性があります。
対策として、バージョン 2.0.9 以降への更新を推奨します。
脆弱性詳細
本脆弱性は、マルチサイト環境において、プロフィール編集画面から保存されるデータの制御が不十分であったことに起因します。
本プラグインには、CSVインポート時に使用したカラム(項目名)を、ユーザーのプロフィール編集画面に追加表示し、編集・保存できるようにする機能があります。本来、ユーザーの権限情報に関わるフィールドは書き換えできないよう制限されていますが、この制限に漏れがあり、サブサイト用の権限フィールドが制限対象から外れていました。
そのため、サブサイト用の権限フィールドがプロフィール画面に表示されている場合、低権限ユーザーでも自身のプロフィールを編集・保存するだけで、サブサイト上の権限を書き換えることが可能な状態でした。
想定される被害
この脆弱性が悪用された場合、以下のような被害が想定されます。
サブサイトにおけるユーザー権限の不正変更
- 購読者レベルなどの低権限ユーザーが、自身のプロフィール編集操作を通じて、任意のサブサイトで管理者権限を取得するおそれ
- 管理者権限の取得により、そのサブサイトの管理画面への全操作が可能になる
被害発生の条件
以下の条件がすべて重なった場合に、被害が発生する可能性があります。
- WordPress マルチサイト環境であること
- 管理者が過去に、サブサイト用の権限フィールド名を含むCSVファイルをインポートしたことがある
- プラグイン設定のプロフィール画面へのフィールド表示機能(「Show fields in profile?」)が有効であること
- 攻撃者がサイトにユーザー登録済み(購読者レベル以上)であること
技術的な詳細
プロフィール保存時の処理では、権限に関わるフィールドへの書き込みを防ぐため、書き換え禁止リストとの照合を行っています。しかし、このリストにはメインサイト用のフィールドのみが含まれており、サブサイト用のフィールドは含まれていませんでした。
過去のCSVインポートによりサブサイト用の権限フィールド名がプラグインに登録されていた場合、そのフィールドがプロフィール画面に編集可能な状態で表示されます。低権限ユーザーが自分のプロフィール編集画面からこのフィールドに任意の値を入力して保存すると、そのまま権限情報が書き換えられ、サブサイト上で管理者権限を取得できる状態でした。
対策版では、すべてのサブサイトの権限関連フィールドが書き換え禁止リストに追加されています。
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します。
- プラグインの更新
- 速やかに、プラグインを対策バージョン(2.0.9 以降)へ更新してください。
- 被害確認(マルチサイト環境の場合)
- 各サブサイトのWordPress管理画面で「ユーザー」メニューを開き、
意図しない管理者権限を持つユーザーが存在しないか確認してください。 - 特に、本来は購読者や投稿者など低権限で登録されているはずのユーザーが、いずれかのサブサイトで管理者になっていないかを重点的に確認してください。
- 不審な権限変更が確認された場合は、該当ユーザーの権限修正または削除を行ってください。
- 各サブサイトのWordPress管理画面で「ユーザー」メニューを開き、
- プラグイン設定の確認
- プラグイン設定画面で、プロフィール画面へのフィールド表示機能(「Show fields in profile?」)が有効になっている場合は、必要性を改めて検討してください。不要であれば無効にすることで、本脆弱性の影響を受けるリスクを低減できます。
⇒不審なユーザーアカウントが確認された場合は、WordPressの専門家などへの相談を推奨します。
影響を受けるバージョン
Import and export users and customers 2.0.8 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2026-7641
(公開日 2026年5月2日 更新日 2026年5月4日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 8.8 (重大) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2026-7641 悪用確率 0.66% (上位52%) 2026年7月17日時点
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
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