WordPressでイベントチケット販売を行うプラグイン「Event Tickets and Registration」のバージョン 5.26.5 以下のすべてのバージョンで、セキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、ログインしていない攻撃者でも、無料チケット用の処理エンドポイントを悪用して有料チケットを無料で取得することが可能となっています。対策バージョン 5.26.6 以降への更新を推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます
- 有料チケットの不正取得
- 本来支払いが必要なチケットが無料で取得される
- イベント主催者やサイト運営者に収益損失が発生する
- 正規の注文として記録されるため、発見が困難
- チケット在庫の不正消費
- 限定数のチケットが不正に取得される
- 正規の購入希望者がチケットを入手できなくなる可能性
- イベント運営に支障が出る恐れ
- 継続的な被害
- 認証不要で実行可能なため、繰り返し攻撃される可能性
- 正常な無料チケット注文に紛れて検出しにくい
- プラグインを更新するまで被害が継続する
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題に起因します
- 無料チケット用エンドポイントの検証不備
- カート内容の検証を実施していない
- カート合計が0円を超える（有料チケットを含む）場合でも、注文処理が実行されてしまう
- カートが空の状態でも注文が作成可能
- 認証・権限チェックの欠如
- WordPressにログインしていない状態でも攻撃が実行可能
- 誰でも無料チケット処理を呼び出せる状態
- 支払いプロセスの回避
- 通常の支払いゲートウェイを経由せず、直接注文完了状態に変更される
- 注文ステータスが Pending（保留中）から Completed（完了）に自動的に更新される
- カートがクリアされ、通常の注文として記録される
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します
- プラグインの更新
- プラグインを対策バージョン（5.26.6以降）に即座に更新
- 被害確認
- 注文データの確認
- 無料チケット注文の一覧を確認
- 本来有料であるべきチケットが無料注文として記録されていないかチェック
- 購入者情報に不審な点がないか確認
- チケット在庫の確認
- 販売予定数と実際の残数に不一致がないか確認
- 不自然に在庫が減少していないかチェック
- アクセスログの確認
/wp-json/tribe/tickets/v1/commerce/free/orderへの不審なアクセスの有無- 短時間での大量アクセスや異常なパターンの確認
- 注文データの確認
- 追加のセキュリティ対策
- 定期的なプラグイン更新
Event Tickets and Registration を含むすべてのプラグインを最新版に保つ - 注文監視の強化
無料チケット注文の定期的な確認
- 定期的なプラグイン更新
⇒不審な注文が確認された場合や、在庫に異常が見られる場合は、WordPressの専門家などへの相談をお勧めします。
影響を受けるバージョン
Event Tickets and Registration 5.26.5 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-11517 
（公開日 2025年10月18日 更新日 2025年10月20日）
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 5.3 (警告) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-11517 悪用確率 0.09% （上位74%） 2025年11月13日時点
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
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