
WordPressでポップアップ表示を管理するプラグイン「Popup builder with Gamification, Multi-Step Popups, Page-Level Targeting, and WooCommerce Triggers」のバージョン 2.1.3 以下のすべてのバージョンで、重大なセキュリティ脆弱性が発見されました。
この脆弱性により、ログインしていない攻撃者でも「id」パラメータを通じてデータベースに不正なSQL文を注入することが可能となっています。これにより、統計データや訪問者情報、個人情報などがデータベースから抽出されるリスクがあります。対策バージョン 2.1.4 以降への更新を強く推奨します。
想定される事象
想定される被害
この脆弱性により、以下のような被害が想定されます
- ポップアップ関連データの漏洩
- ポップアップの表示回数・コンバージョン数などの統計データ
- キャンペーンIDやキャンペーンタイトルなどのマーケティング情報
- ビジネス戦略に関わる機密性の高い情報が外部に漏れる可能性
- 訪問者情報の漏洩
- 訪問者のブラウザ情報(Chrome、Firefox等)
- 使用デバイス情報(PC、スマートフォン、タブレット)
- アクセス元の国情報
- リファラー情報(どのサイトから訪問したか)
- 訪問日時などのアクセスログ
- 購読者(サブスクライバー)情報の漏洩
- メールアドレス
- 登録された名前
- 登録日時
- フォーム送信時の入力データ
- キャンペーンとの紐づけ情報
- WordPress全体への影響
- SQLインジェクションの性質上、ポップアッププラグインのテーブルだけでなく、他のWordPressテーブル(ユーザー情報、投稿内容など)へのアクセスも技術的に可能なため、データベース構造の探索により、より深刻な情報漏洩へと拡大するリスク
技術的な詳細
この脆弱性は、以下の問題により発生します
- 認証チェックの不備
- ログ更新APIに対する認証処理が実装されていない
- 修正前は誰でもアクセス可能な設定
- WordPressにログインしていない外部からの攻撃が実行可能
- 修正後はWordPress標準のnonce検証が追加された
- SQLインジェクション脆弱性
- ログ更新処理の「id」パラメータに対するエスケープ処理が不十分
- 入力値がそのままSQL文に連結される実装
- プリペアドステートメントによる適切な準備がされていない
脆弱性の種類
推奨対応事項
該当バージョンのプラグインをご利用の場合、以下の対応を強く推奨します
- プラグインの更新
- プラグインを対策バージョン(2.1.4以降)に即座に更新
- 被害確認
- ポップアップ統計データの確認
- 管理画面でポップアップの統計データに異常な値がないか確認
- 不自然に高い表示回数やコンバージョン数
- 身に覚えのないキャンペーンデータの有無
- アクセスログの確認
- Webサーバーのアクセスログで以下を確認
-
/wp-json/*/popup/logsへのPUTリクエスト - 「id」パラメータに通常の数値以外の文字列を含むリクエスト
- 短時間に大量の同様のリクエスト
- 購読者(サブスクライバー)データの確認
- 登録されているサブスクライバー情報に異常がないか確認
- 不審なメールアドレスや登録内容の有無
- WordPressユーザーアカウントの確認
- 身に覚えのない管理者アカウントが作成されていないか
- 既存ユーザーのパスワードが変更されていないか
- ポップアップ統計データの確認
- 追加のセキュリティ対策
- 定期的なプラグイン更新
- すべてのプラグインを最新版に保つ習慣づけ
- 更新通知があれば速やかに対応
- セキュリティプラグインの導入
- WordPressセキュリティプラグイン(Wordfence、iThemes Security等)の利用
- 不正アクセスの検知・ブロック機能の活用
- WAF(Web Application Firewall)の検討
- SQLインジェクション攻撃を自動的にブロック
- レンタルサーバーの標準機能やCloudflare等のサービス利用
- バックアップの実施
- 定期的なデータベースとファイルのバックアップ
- 万が一の際の復旧準備
- アクセス監視の強化
- REST APIエンドポイントへのアクセス監視
- 異常なアクセスパターンの早期発見
- 定期的なプラグイン更新
⇒審なアクセスログが確認された場合や、データに異常が見られる場合は、WordPressセキュリティの専門家への相談をお勧めします。
特に購読者(サブスクライバー)情報が漏洩した可能性がある場合は、該当者への通知も検討する必要があります。
影響を受けるバージョン
Popup builder with Gamification 2.1.3 までのバージョン
脆弱性情報 (CVE-ID)
CVE-2025-10862
(公開日 2025年10月9日 更新日 2025年10月9日)
脆弱性の深刻度 (CVSS v3)
基本値: 7.5 (重大) [Wordfence]
脆弱性脅威度(EPSS)
CVE-2025-10862 悪用確率 0.10% (上位71%) 2025年11月12日時点
ソフトウェア脆弱性情報の著作権に関する注意事項
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